発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2016307913
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セメントレス人工股関節全置換術(THA)後の静脈血栓塞栓症(VTE)予防として3種の血栓予防薬を投与した161股(投与群)と血栓予防薬を投与しなかった38股(非投与群)について、VTE発生率、術後大出血発生率、大腿周囲径の変化を後方視的に検討した。投与群はフォンダパリヌクスナトリウム(FPX)57股、エノキサパリンナトリウム(ENX)53股、エドキサバントシル酸塩水和物(EDX)51股であり、4群間で手術時間、術中出血量、重大な出血事象発生率に有意差はなく、症候性肺塞栓発生例は全群0例であった。投与群では非投与群よりも深部静脈血栓症(DVT)発生率が有意に低かったが、薬剤別のDVT発生率に有意差はなく、術後の大腿周径は非投与群とENX群に比べてFPX群とEDX群で有意に増大していた。THA後のDVT予防として血栓予防薬投与が有用であることが示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2016