経験と考察
救急車で搬送された急性腰痛症に占める仙腸関節障害の頻度と臨床所見
黒澤 大輔
1
,
村上 栄一
1地域医療機能推進機構仙台病院 腰痛・仙腸関節センター
キーワード:
患者搬送
,
関節疾患
,
救急車
,
胸椎
,
MRI
,
神経ブロック
,
鑑別診断
,
脊椎骨折
,
仙腸関節
,
鎮痛剤
,
椎間板ヘルニア
,
疼痛
,
入院期間
,
発生率
,
腰痛
,
骨折-圧迫
,
椎間板変性症
,
骨折-破裂
Keyword:
Ambulances
,
Analgesics
,
Diagnosis, Differential
,
Length of Stay
,
Intervertebral Disc Displacement
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Joint Diseases
,
Nerve Block
,
Pain
,
Sacroiliac Joint
,
Thoracic Vertebrae
,
Transportation of Patients
,
Incidence
,
Spinal Fractures
,
Low Back Pain
,
Fractures, Compression
,
Intervertebral Disc Degeneration
pp.1132-1136
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2015009301
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救急搬送された急性腰痛症46例を対象として、急性腰痛症例に占める仙腸関節障害の頻度および他の脊椎疾患との鑑別に有用な臨床所見を調査した。46例中仙腸関節障害は6例で急性腰痛症例の13%に相当し、外傷を除くと最も多く、腰椎椎間板ヘルニアや椎間板症より高頻度であった。仙腸関節障害は全例、片側のみの上後腸骨棘周囲の疼痛を有し、2例では鼡径部痛を伴っており、入院期間は平均7.5日で仙腸関節ブロック回数は平均2回であった。また、疼痛の誘因動作では、半数が「立ち上がろうとして」という動作開始時に生じていたが、残りの半数は誘因不明であった。急性腰痛症例に仙腸関節障害が多く含まれていることを念頭に置き、疼痛領域に注目すれば仙腸関節由来の痛みを疑うことは可能であり、その疼痛緩和には仙腸関節ブロックが有効であると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2014