発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317170
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症例は33歳男性で、右手関節部の弾発感と疼痛を主訴とした。18歳時より塗装業に従事しハケ、ローラーを握っての作業を続けていた。手関節掌側部に手指屈筋腱とともに移動する硬結を触知でき、塗装作業時の動作である手指屈曲位での手関節橈尺屈で前腕遠位掌側に弾発現象に伴い疼痛が出現した。手根管部MRIでは屈筋腱周囲に軽度の増生滑膜と思われる所見が認められた。以上より、増生滑膜によるtrue trigger wristと考え、滑膜切除術目的に手術を行った。屈筋腱周囲には瘢痕様の増生滑膜を認め、手根管を開放し、滑膜切除術を行い、術後2週間で肘下シーネ固定を行ったところ、術後7週で職場復帰となり、弾発現象は消失し、術後3ヵ月で創部痛、pillar painは軽快となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014