臨床室
膝関節後内側コンパートメントに限局して発生した滑膜血管腫の1例
神成 文裕
1
,
立花 陽明
,
坂口 勝信
,
織田 弘美
1埼玉医科大学 整形外科
キーワード:
滑膜
,
関節鏡法
,
血管腫
,
MRI
,
膝関節
,
免疫組織化学
Keyword:
Arthroscopy
,
Hemangioma
,
Immunohistochemistry
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Knee Joint
,
Synovial Membrane
pp.336-338
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014223455
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
23歳男。左膝関節部痛を主訴とした。明らかな圧痛はなかったが、関節可動域(ROM)は0°~145°であり、深屈曲時に膝窩部痛を訴え正座は困難であった。MRIでは後内側コンパートメントの半月に近接した部位にT1強調像で低~等信号、脂肪抑制像で等~高信号が混在する境界明瞭で多房性の嚢腫様腫瘤を認めた。関節鏡手術中所見で内側半月後角の周辺滑膜から発生する限局性に充実した易出血性の多房性腫瘤を認め、鏡視下に周囲の滑膜および関節包を含め腫瘤を切除した。病理組織所見では不規則に拡張した血管が海綿状に増殖し、一部では血管壁の肥厚や血管内部の吻合も認め、cavernous typeの滑膜血管腫と診断した。術後1年3ヵ月経過して疼痛やROM制限はなく正座も可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2014