経験と考察
症候性術後脊椎硬膜外血腫の危険因子の検討 表皮接着剤使用の前処置としての密な創縫合がリスクを増大する可能性がある
仲田 紀彦
1
,
穂積 高弘
,
山川 聖史
,
近藤 泰児
,
五嶋 孝博
1がん・感染症センター都立駒込病院 整形外科
キーワード:
ドレナージ
,
危険因子
,
術後合併症
,
縫合法
,
硬膜外血腫-脊髄
,
Octyl 2-Cyanoacrylate
Keyword:
Drainage
,
Risk Factors
,
Postoperative Complications
,
Suture Techniques
,
Hematoma, Epidural, Spinal
,
Octyl 2-cyanoacrylate
pp.407-410
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014255380
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椎弓操作を含んだ脊椎観血的手術253例を対象に、症候性術後脊椎硬膜外血腫の発生率および危険因子を調査した。なお、閉創は筋層および皮下縫合の後、表皮をスキンステープラーもしくは表皮接着剤(ダーマボンド)で処置した。症候性術後脊椎硬膜外血腫を発症したのは6例で、内訳は悪性腫瘍手術2例、良性腫瘍手術1例、多椎間開窓術1例、感染に対する手術1例、再手術1例であった。6例全例に血腫除去手術を行った。症候性術後脊椎硬膜外血腫群6例と非血腫群247例で術前因子、術中・術後因子を比較したところ、統計学的に有意差を認めた因子(危険因子)は、降圧薬内服中、脳梗塞の既往あり、術前抗凝固療法あり、術前NSAIDsの内服あり、閉創時のダーマボンドの使用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2014