発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006151908
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症例1:38歳男,症例2:61歳男.各々上腹部痛あるいは胸背部痛を主訴とした.症例1はアルコール依存症の既往があった.いずれも飲酒,夕食後,突然嘔吐した.入院時,苦悶状表情を呈し,上腹部あるいは腹部全体に圧痛を認め,板状・硬であった.検査にて白血球数上昇を認めた.胸部単純X線にて症例1では左肺の気胸と胸水を,症例2では左肺の胸水を認めた.胸部CTにて症例1では縦隔気腫,左肺の膿瘍と気胸を認めた.左胸腔内にドレーンを留置した.食道造影にて下部食道左側に造影剤の流出を認めた.特発性食道破裂の診断で同日緊急手術を施行した.発症から手術まで各々55時間,10時間が経過していた.下部食道左壁に1cmあるいは2cmの破裂創を認め,症例1では縦隔および胸腔内に膿性胸水と白苔の付着を認めた.破裂部を縫合閉鎖し胃底部を被覆縫着した.術後造影にて縫合不全は認めず,各々16日目,19日目より経口摂取を開始した.その後,35日目,34日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2006