発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012220022
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症例は52歳女性で、1年5ヵ月前頃より左第2趾に腫脹、疼痛が出現し、X線で骨病変を指摘された。左第2趾に腫脹・発赤・疼痛を認め、末端は爪も含め肥大し、右膝内側には発赤を伴う約25mm径の皮下結節が認められた。X線およびCTで左第2趾の末節骨の骨破壊像を認め、MRIでは同部皮下にT1強調画像で低輝度、T2強調画像で低~等輝度の病変が認められた。骨シンチグラムでは左第2趾、左踵骨、右第5中足骨、右肩甲骨に集積を、胸部CTで縦隔および肺門部リンパ節腫脹が認められた。血液生化学検査で特に異常はなく、左第2趾の生検病理所見では線維結合組織内に多数の類上皮肉芽腫が形成され、壊死や多核細胞は認めず、肉芽腫周囲に軽度リンパ球浸潤が認められた。呼吸器外科による肺門部、縦隔リンパ節生検で類上皮肉腫と病理診断され、サルコイドーシスと診断した。肺病変は軽度であることなどより、投薬は行わず経過観察とし、左第2趾の症状は軽減傾向となり肺病変の悪化もない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012