発行日 2013年9月1日
Published Date 2013/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013353830
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肘内障170例について検討した。100例が土曜日午後6時~深夜の救急に来院した。多くは手掌を自分の腹部に向けた肢位(回内位)で来院したが、1例のみ手掌を手前に向けた肢位(回外位)であった。前腕を回外するように指示すると、回内・回外の中間位で制限を認めるケースが多くの症例にみられた。あるいは、回外位にするように指示されると、不安のため泣く患児も多くいた。どの患児にも共通する所見は、患側の上肢をほとんど動かさないことであった。さらに、「バンザイ(上肢の挙上)ができない」「チョウダイ(手掌の上向け)ができない」の二つの所見はすべての症例にみられた。受傷の原因として、明らかに牽引外力を加えた事実があるものが92例、それに反してまったく牽引を加えていないと証言したものが66例あった。回内法で十分整復に成功した。165例中48例が2回以上抜けた既往をもっていた。
©Nankodo Co., Ltd., 2013