発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009314602
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1998年3月~2008年7月の肘内障患者110例(男児51例、女児59例、年齢9ヵ月~6歳)を対象に検討した。罹患側は右68例、左42例で1~2歳にピークがあり手掌を腹部に向けた肢位(回内)の患児が多く手掌を手前に向けた肢位(回外)は1例のみであった。受傷原因は明らかな牽引外力が54%で全く牽引を加えていない例も36%あり、肘内障の回数は2回以上が8例、最大は8回で再発は同じ側が多いが同側・反対側とも2回の患者もいた。整復方法は回外位を強制されると肘周囲に痛みを覚える患者が多く、回内のみで十分整復に成功することより回内操作が大切であると考えられた。患児の肘を軽度屈曲(45°)し、橈骨頭を母指で押えて前腕を回内し、容易な例では回内回外0°~回内90°までにクリックを感じ、困難な例では回内の最終段階でクリックを感じた。回内は90~180°まで回旋可能だが回外は痛がるため90°以上は不可能で、成功例中回外は2例でその他は全て回内操作であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009