発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013350484
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49歳男。明らかな誘因なく頸部痛が出現した。頸椎MRIでC3/C4頸椎椎間板ヘルニアと診断し、投薬による保存的治療とした。初診から10日目に手指のしびれ、その翌日からは立位困難と膀胱直腸障害が出現した。頸椎椎間板ヘルニアによる進行性の四肢麻痺と診断し手術を予定したが、肝硬変の評価を行い、重篤な肝障害があった。麻酔科より全身麻酔不能と判断された。保存的治療として第1病日より直達牽引を行った。しかし、上肢はMMT3/3と低下し、下肢は伸展挙上が不能となり息苦しさの訴えもあったため、手術を再検討した。消化器内科、麻酔科は手術すべきでないとの判断であった。しかし、患者はすべてのリスクを理解したうえで手術を希望したため、第9病日に局所麻酔下で手術を行った。術後29日目に発熱および呼吸状態悪化があり、胸部X線像で肺炎と診断した。抗菌薬投与を行ったが状態は悪化を続け、術後34日日に死亡した。
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