臨床室
長期間観察した小児第2足趾移植による母指再建術の1例
平山 隆三
1
,
小澤 一広
,
進藤 正明
,
奥山 峰志
1進藤病院 整形外科
キーワード:
X線診断
,
組織移植
,
外傷性切断
,
手指外傷
,
足指
,
母指
Keyword:
Amputation, Traumatic
,
Finger Injuries
,
Radiography
,
Thumb
,
Toes
,
Tissue Transplantation
pp.233-236
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2014317166
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症例は9歳女児で、母指欠損、巧緻運動機能障害を主訴とした。8歳時に農業機械に左手(非利き手)を巻き込まれ受傷し、母指中手指節(MCP)関節部断端形成、皮弁で被覆され、母指球筋機能は温存されていた。第2足趾移植による母指再建術を施行し、術後6ヵ月で、MCP関節部皮膚瘢痕にZ形成術、母指・示指の屈筋腱剥離術を追加した。再建術後2年、骨端軟骨板は開存し成長していた。術後17年の26歳の現在、再建母指は健側母指に比し長径差5mm、横径差5mmで成長率健側足趾比100%、形態は健側第2足趾と同様であり、X線像でも骨萎縮、関節症変化を認めなかった。また、疼痛もなく機能的障害もみられず、健側母指と比較して、球根様指尖という整容的・形態的問題は残るも肯定的に受け入れられ、精神的問題もみられなかった。
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