内科医がおさえておくべきパーキンソン病診療のポイント 代表的なパーキンソン病類縁疾患
多系統萎縮症
渡辺 宏久
1
,
原 一洋
,
伊藤 瑞規
,
勝野 雅央
,
祖父江 元
1名古屋大学脳とこころの研究センター
キーワード:
Levodopa
,
MRI
,
鑑別診断
,
Parkinson病
,
多系統萎縮症
,
パーキンソニズム
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Levodopa
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Parkinson Disease
,
Multiple System Atrophy
,
Parkinsonian Disorders
pp.217-221
発行日 2016年8月1日
Published Date 2016/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016309839
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多系統萎縮症(MSA)は,パーキンソニズム,小脳失調,自律神経不全を,経過中に種々の程度で生じる進行性の神経変性疾患である.パーキンソニズムが前景となる病型はMSA-Pと呼ばれ,治療方針や管理方針を決めるうえで,とくにパーキンソン病との鑑別が重要となる.特徴的な臨床症状,画像所見,経過を理解することはMSA-Pとパーキンソン病の鑑別を可能とする.しかし,早期診断や非典型的な経過を示す症例の診断はときに困難を極める.また,病初期にはL-ドパに反応する症例や,検査所見で異常を示さない症例も少なくない.診断に悩む場合には慎重に経過をみていくこと,また必要に応じて経過中に診断を変えることも念頭に置くことが大切である.
©Nankodo Co., Ltd., 2016