発行日 2013年1月1日
Published Date 2013/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013162439
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症例は62歳男性で、左手の疼痛と腫脹を主訴に、五つの医療機関を受診し関節リウマチを疑われるも診断には至らず、症状出現2ヵ月後に当科を受診した。単純X線では骨びらんを認めず、MRIにて第3中手骨に骨侵食、第3MP関節および手根骨レベルの伸筋腱周囲の滑膜炎、中手屈筋腱周囲の滑膜炎が認められた。当科初診1.5ヵ月後に滑膜の切開生検を行い、病理組織学的所見および遺伝子検査より、Mycobacterium marinumによる手の非定型抗酸菌感染症と診断した。クラリスロマイシン、リファンピシン、エタンブトールを5ヵ月間投与し、残存する滑膜炎に対し外科的切除を追加した。術後も上記薬剤を2ヵ月間投与し、初診より2年の時点で再発はみられない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013