発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2007261008
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手部の慢性屈筋腱腱鞘滑膜炎を呈する各種疾患の治療について報告した。対象は、手術的治療を行った慢性屈筋腱腱鞘滑膜炎10例(男性6例、女性4例・平均年齢68歳)であった。原因は、術中に切除した滑膜組織から結核菌感染が1例、非定型抗酸菌感染が5例、グラム陽性球菌感染が1例、非特異的炎症と考えられたのが3例であった。非定型抗酸菌感染の2例でPCR法にてMycobacterium intracellulareを検出した。慢性屈筋腱腱鞘滑膜炎の診断では、結核菌・非定型抗酸菌感染を疑った病理検査、培養検査、PCR法を行うべきであり、非定型抗酸菌感染症の治療には長期にわたるEB・INH・RFPの3薬併用療法が必要と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007