発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2016150831
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64歳女。全身性エリテマトーデス(SLE)で加療中であった。発熱と腰痛を主訴とした。理学的所見で両臀部に硬結を認め、造影CTおよび造影MRI所見より、膿瘍が疑われた。また、胸部CTで肺に結節が認められた。骨髄培養検査にてMycobacterium intracellulare(M.intracellulare)が検出された。以上の所見より、臀部膿瘍は非結核性抗酸菌(NTM)により形成されたと考え切除した。膿瘍内部の膿および便培養より、M.intracellulareを検出し、全身播種型NTM症と診断された。手術後、4剤併用治療(clarithromycin、rifampicin、ethambutol、streptomycin)を行ったところ、全身状態は改善した。その後、症状は消失しSLEの再燃は認めない。また、画像所見では臀部膿瘍および肺結節の縮小が認められ、肺結節はNTMによって形成された可能性が高いと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2016