リハビリテーション
認知運動療法により改善した頸椎症性脊髄症による手指の巧緻運動障害
濱 敬介
1
,
松村 幸治
,
田野 聡
,
田岡 祐二
,
鶯 春夫
,
平島 賢一
1橋本病院 リハビリテーション部
キーワード:
運動障害
,
手指
,
認知
,
頸椎症性脊髄症
,
拡散MRI
,
認知運動療法
Keyword:
Cognition
,
Fingers
,
Movement Disorders
,
Diffusion Magnetic Resonance Imaging
pp.159-162
発行日 2013年2月1日
Published Date 2013/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2013151506
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87歳女。数年前より頸椎症性脊髄症のため外来通院中であった。今回、手指巧緻運動障害、両上肢~手指の痺れが出現し、リハ目的で当院紹介となった。JOAスコアは5点と重篤で、頸椎MRIでC3/C4~C6/C7レベルに中~高度の脊髄圧迫を認めたが、手術の危険性や患者が手術を希望しなかったことから認知運動療法を行うこととした。治療実施に当たっては、病前の触感覚イメージの想起と物品の表面素材などを視覚分析させた上で実際に物体を接触させ、得られた知覚との差を確認させた。また、それを言語化させた。その結果、握力、JOAスコア、感覚検査に改善は認めなかったものの、手指10秒テスト、簡易上肢機能テスト、パーデューペグボード検査など巧緻性に関する検査では改善を認めた。また、ADL場面においてボタン動作やスプーン操作が可能となった。更に、接触前に物体の形状に応じた手の構えをつくることが可能となった他、接触時の異常な放散反応が減少し、過剰な指圧による異常感覚が軽減した。
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