発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2009068028
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13歳男。家庭用ゲーム機のコントローラを長時間使用した翌日に両環・小指自動運動困難および疼痛が出現した。両側小指は中手指節(MP)関節でやや屈曲内転し、両側手掌部尺側に圧痛を認め、両側環・小指自動屈曲は制限され、Brewerton撮影では両側小指が中節骨頸部で橈屈変形していた。ゲーム機使用による両側環・小指MP関節炎の診断で、安静固定用スプリント装着・手指自動および自己他動関節可動域訓練・ハンドセラピーを開始したが、4週間経過しても症状が改善しなかった。環・小指MP関節運動に関わる尺骨神経支配筋の痙攣を疑い、尺骨神経ブロックにより手内筋の痙攣を除去すると、手掌部尺側の圧痛および他動運動時の疼痛は消失して両側環・小指自動屈曲が可能となり、神経ブロック施行後3週経過しても症状の再発は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008