発行日 2010年5月1日
Published Date 2010/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010211534
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59歳男性。患者は右手関節の疼痛、発赤、腫脹を主訴に近医を受診、複合性局所疼痛症候群(CRPS)を疑われ、種々の保存的治療を受けるも症状が改善せず、発症後4ヵ月に、著者らの施設へ紹介となった。初診時、単純X線では関節に軽度の腫脹が認められるも、MRIでは非特異的な滑膜炎の所見がみられるのみで、CRPSに準じた保存的治療を引き続き行なわれた。しかし、その後も症状は改善せず、発症後1年9ヵ月の単純X線にて骨破壊像、関節裂隙の狭小化がみられ、ツベルクリン反応、関節液培養、PCRにて結核性手関節炎の確定診断が得られた。そこで、直ちに化学療法を開始したが著効せず、発症後2年に病巣掻爬術が行なわれ、目下、術後1年4ヵ月経過でROM制限は残存するものの疼痛なく、腫脹は改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010