発行日 2008年6月1日
Published Date 2008/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008236074
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
38歳男。左足関節周囲の腫脹・疼痛が出現し、関節炎の診断で消炎鎮痛剤を投与されたが軽快しなかった。穿刺による貯留液の培養検査は陰性であったが、発赤・熱感を伴うようになったためセフジトレンピボキシルを投与した。しかし症状に変化はなく、結核性関節炎を疑い再度穿刺を行い、貯留液の結核PCR法検査で陽性を認めた。また、表皮ブドウ球菌も検出された。CTで載距突起から足根洞にかけて一部遊離骨片を伴った軽度骨破壊像を認め、MRIのT1強調像では等信号、T2強調像で高信号を示した。結核性距骨下関節炎と診断し、病巣掻爬を行った。病理組織所見で乾酪壊死を伴った類上皮細胞肉芽腫を認め、Langerhans型細胞・リンパ球の浸潤がみられた。術後4剤併用の化学療法を開始し、一旦改善後に再燃したため、4ヵ月後に広範な病巣掻爬および腸骨移植を併用した距骨下関節固定術を行った。術後12ヵ月で感染再燃はなく、骨癒合も認めて抗結核薬内服を終了し、疼痛は消失した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008