発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012360394
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58歳女。以前にも癲癇があり、通院歴があった。今回、当院内科外来を受診し待合室で椅子に座っていたところ、10分程度の強直性発作を生じ、その後、左肩痛を訴えたため、同日当科受診となった。諸検査によりNeer分類の3-part後方脱臼骨折で、Robinsonの後方脱臼骨折分類ではtype 3と診断した。治療はまず徒手整復を試みたが整復不能であったため観血的治療を行うこととした。手術はdeltopectoral approachで展開し、後方に脱臼している骨頭骨片の整復を行った。次いで、可及的に骨折部の整復を行った後、骨片同士をKirschner鋼線で仮固定した。骨頭関節面に大きな欠損はなく、回旋中間位で後方不安定性を認めないことを確認した後、ロッキングプレートを用いて骨接合を行った。前方不安定性に対しては、閉創時に前方関節包を縫縮することで対応した。術後は内・外旋中間位、軽度外転位で装具固定を行った。ROM訓練は術翌日から開始した。術後2年の現在、骨癒合が得られており、ROMは屈曲120°が可能で、ADLの障害はない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012