発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012360395
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37歳女。10歳頃に両膝痛を生じたが、医療機関への受診はしていなかった。思春期になりO脚を気にしてしたが、放置していた。数年前から農作業後に両膝内側部痛が出現していた。急性腰痛で当科受診した際、O脚変形と両膝痛の精査を希望したため実施し、小児期Blount病による両側下腿内反変形の遺残と診断した。半月板・膝靱帯損傷や変形性膝関節症はないことから、治療は仮骨延長法による変形矯正を選択した。手術はIlizarov創外固定器を下腿へ設置し、腓骨の骨切り、次いで脛骨の骨切りの順に行った。術後2週間の待機期間をおいて矯正を開始した。矯正は、脛骨内側部での骨の最大移動量が1mm/日になるように朝・夕2回に分けて行い、12日間で終了とした。創外固定器は術後16週で抜去した。矯正は右側を初めに行い、左側も同様の手順で行った。最終手術後1年半の現在、患者は下肢の整容に満足しており、労作後の膝痛もなくなった。
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