発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012359091
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著者らが治療を行った肝癌骨転移15例(男性14例、女性1例、平均年齢70.8歳)を対象に臨床症状、治療法、予後について検討した。平均追跡期間333日の結果、1)Performance statusはgrade 0が5例、grade 1が3例、grade 2が4例、grade 3が2例、grade 4が1例であった。2)原発巣に対する治療は肝切除が4例、TAEが7例、PEITが3例、RFAが3例、全身化学療法が1例であった。3)予後は9例が腫瘍死しており、うち2例は整形外科手術直後であった。また、生存率は1年が43.3%、2年が32.3%で、中央生存期間は310日であった。4)放射線治療は13例30部位に行われ、2ヵ月後の効果判定では改善もしくは変化なしを合わせた奏効率は80.6%であった。一方、整形外科的治療は10例15部位に行われ、うち病的骨折に対する手術は大腿骨4例、上腕骨1例の計5例に行われた。主に骨幹の病巣に対しては病巣掻爬後に骨セメントの充填を併用した髄内釘固定が施行され、2例は生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2012