発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012339634
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16歳男。野球の試合で左膝を受傷し、その後疼痛が出現し、歩行不能となったため受診となった。初診時、左膝の腫脹は著明で自動運動は不能であった。単純X線で大腿骨、頸骨とも骨端線の開存を認め、頸骨外顆関節面に陥没骨折と顆間隆起剥離骨折、さらに大腿骨顆間窩から内顆骨端線にかけて骨折線を認めた。CTで頸骨プラトーの陥没の範囲は前後2.0cm、左右1.5cm、深さ0.7cmであることを認め、頸骨プラトー骨折、顆間隆起骨折および大腿骨内顆骨折と診断した。術中、頸骨外顆の軟骨表面に関節面の1/3程度の範囲にわたる陥凹を認めたため、エレバトリウムにより陥没部位を挙上して整復し、オスフェリオンを補填して整復位を保持した。術直後のX線で頸骨プラトーの陥没は良好に整復されており、術後4週目のMRIで、高輝度部が消失し、骨端線の部分的な閉鎖が窺われた。術後9ヵ月、左膝関節の疼痛、ROM制限、骨折部の変形、脚長差はなく、X線像でも健側と比較して骨端線の早期閉鎖を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2012