発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012339635
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21歳男。バイクで走行中、転倒・受傷した。初診時、右足背外側に挫滅創、外側から足底にかけて開放創、足背の中央に骨性の隆起、同部内側に開放創を認めた。外側の創部は陥凹し、皮膚の部分的に剥脱していた。足趾の自動運動は可能であった。単純X線でLisfranc関節脱臼、第4足骨骨幹部・基部骨折、第5中足骨基部粉砕骨折、第5趾MTP関節脱臼を認めた。CTでは、冠状断像で第1、第2楔状骨が離開し、背側脱臼による横径の短縮を認めた。まず創洗浄、デブリドマンを行い、第5趾MTP関節、Lisfranc関節の脱臼の徒手整復を行った。整復は容易であったが、Lisfranc関節脱臼は整復位の保持が困難であった。内固定は行わずに閉創し、受傷11日目に観血的整復固定術を施行し、Lisfranc関節を整復後Kirschner鋼線を刺入し固定した。第5趾MTP関節については内固定は行わず、開放創の皮膚壊死部については切除し、湿性ドレッシングを行った。開放創は縮小したが皮膚は閉じず、受傷8週後に植皮術を施行した。受傷12週にKirschner鋼線を抜去し、足底板を約6ヵ月装着した。受傷後10ヵ月、足関節可動域制限、疼痛はない。
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