発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012339630
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症例1は22歳男で、2ヵ月前より両手指のしびれを認め、その後しびれが増強し、巧緻障害、歩行障害が出現し受診となった。初診時、歯頸線以下のしびれを認め、上下肢とも深部腱反射は亢進し、Hoffmann反射、Babinski反射は陽性であった。MRIでC4/C5椎間板ヘルニアを認めた。C4/C5椎間板ヘルニアを切除し腸骨を用いて骨移植固定とし、ドレーンを留置したところ、術後呼吸困難が出現した。挿管が困難で3回目に盲目的気管内挿管が可能となった。CTで咽頭浮腫を認めたが、意識障害や運動麻痺はなかった。人工呼吸管理下にステロイドを投与し、咽頭浮腫は軽減した。症例2は44歳男で、2ヵ月前より右母指のしびれが出現し、その後増強、右前腕痛も出現したため受診となった。初診時、筋力低下、下肢深部腱反射の亢進を認め、MRIでC5/C6椎間板ヘルニアを認めたため、C5/C6椎間板を切除し、腸骨を用いて骨移植・固定としドレーンを留置した。術後呼吸状態は安定していたが、翌日呼吸困難が出現し、前頸部が著しく腫脹しているのを認め、再挿管を試みるも盲目的挿管も不可能でSpO2も6%であり、ミニトラックを輪状甲状腺に穿刺し、換気を再開、その後気管切開しカニューレを留置した。CTで椎体前面に多量の血腫を認めたものの、再換気開始後は意識障害、運動麻痺もなく、人工呼吸管理下で術後14日目には術前症状も改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012