発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072002
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78歳女。既往に2型糖尿病があった。起床後に誘因なく突然頸部痛が出現し、痛みのため起き上がれず救急搬送された。初診時、DXA法で骨密度と骨量の著明な低下を認めた。X線・CTで歯突起骨折と後側方転移を認め、C2とC3は癒合椎弓を認めた。MRIでは脊柱管は保たれ、脊髄内の輝度変化はなかった。Anderson分類type IIの歯突起骨折および環軸椎後方脱臼と診断し、徒手整復や頭蓋直達牽引を行うも整復困難なため、全身麻酔下に観血的整復術を行った。環軸椎間は開大し、後環軸椎膜は断裂してほぼ残存していなかった。脱臼整復に際しては、創外整復操作としてMayfield固定器を利用して頭蓋を頭側および前方へ直達牽引し、更に創内より環椎を徒手的に前方へ圧迫し、軸椎を後方および尾側へ牽引して整復した。整復後の固定に際しては、後頭骨からC2、C3を固定し、自家骨移植を行った。術後経過は良好で、術後9ヵ月の現在、頸部痛は消失し、独歩可能である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010