発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103827
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19歳女。15歳頃より膝を深屈曲から伸展した際に膝がロックして伸展不能となることがあり、整復を要していた。今回、正座から立ち上がる際に左膝外側に違和感を自覚し、膝屈曲位で可動不能となった。初診時、左膝は30°屈曲位で自動運動不能で、MRIのT2強調像で外側半月板後節後方を中心に高輝度領域を認め、また前角部がくびれ像を呈し、半月板後節辺縁部が断裂して前方に大きく移行し嵌頓が疑われた。関節鏡ではプロービングで半月板の異常可動性を認め、膝窩筋腱溝部、半月板後節後方において脛骨半月靱帯部との断裂を認めた。左膝関節のロッキング症状は改善したが、その後右膝にもロッキング症状が出現し、両膝関節の異常可動性外側半月と診断して鏡視下手術を施行した。左膝に対し外側半月後節剥離面を掻爬した後、膝窩筋腱前方部と後方部の2ヶ所で関節包と半月実質をinside-out法で縫合した。右膝はプロービングで外側半月板の異常可動性、膝窩筋腱後方部で脛骨半月靱帯の部分断裂を認めたため、膝窩筋腱前方の関節包と半月実質をall-inside法で縫合した。術後1年2ヵ月の現在、両膝ともROM制限やロッキング症状は認めていない。
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