発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2004048447
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症例は陸上中距離選手の13歳女子で,約3年前から時々右膝の伸展時痛を自覚していたが,自宅にて正座から立ち上がろうとして右膝の屈曲・伸展不能となり来院した.初診時,右脛骨近位内側部に自発痛を伴う軽度の腫脹と圧痛を認め,右膝関節は伸展-40°で,疼痛のため屈曲・伸展とも不能であったが,膝関節の液体貯留や腫脹・圧痛は認めなかった.画像所見から脛骨に発生した外骨腫による膝のロッキングと診断して腰椎麻酔下に手術を施行した.術中所見では鵞足の一部は帯状となり腫瘍の先端に引っかかりロッキングが発生していたため,周囲を展開して一部正常骨組織を含めて腫瘍を一塊として切除した.摘出した腫瘍は2.5×1.0×1.0cm大のくちばし状の骨性腫瘍で先端に軟骨帽が認められた.摘出標本の病理組織学的所見から腫瘍は外骨腫と診断された.術後1年の現在,再発は認めず,中距離選手として活躍している.本症例のようにロッキングをきたしたり,疼痛が持続する外骨腫症例においては腫瘍の切除が必要と考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003