発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012156566
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閉鎖神経絞扼障害に対し外閉鎖筋ブロックを施行した107例について報告した。患者は60歳以上が77%、女性が3/4であった。背景疾患は椎体骨折後が最も多く、次いで大腿骨頸部骨折関連の術後、腰部脊柱管狭窄症の術後、人工股関節全置換術後、片麻痺、椎間板ヘルニアの術後などであった。自覚症状は歩行障害、立位や歩行時の疼痛で、疼痛部位は腰部、臀部、股部、大腿部などであった。他覚症状は立脚期の跛行、すくみ現象、股関節の他動運動時痛・拘縮などで、閉鎖孔部の圧痛が重要な所見であった。ブロックの手技は、内転筋腱を外側によけ、腱付着部直下から針をいったん恥骨下枝に当てた後、外上方やや尾側に向け鼠径靱帯と平行に刺入して1%リドカイン3~5mlを注入した。3回以内のブロックで痛みが消失したのは90.6%(男30例、女67例)で、4~5回行ったのは5例であった。効果の持続という点を除けば、誤診例以外全例有効で、重大な有害事象はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012