発行日 2012年1月1日
Published Date 2012/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012156565
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骨付き膝蓋腱(BTB)を用いた後十字靱帯(PCL)再建術の手技を紹介し、同手術14例(男12例、女2例、平均23.7歳)の成績を報告した。術中の予定外処置として、BTBの骨片破損或いは骨孔拡大によりスクリュー固定時に腸骨移植を行ったのがそれぞれ2例、3例、BTB骨片破損で脛骨側固定にセラミックボタン使用が2例であった。術後3~15年経過観察した12例において、LysholmスコアはACL機能不全合併1例の77点を除き全例90点以上であった。膝伸展不全例はなく、正坐可能であった。スポーツに復帰したのは7例で、可能であったが復帰せず4例、復帰できず1例であった。10例に行ったKT-1000による後方不安定性評価は、30ポンド負荷での健患差が平均0.4mmであった。術後合併症は、伏在神経entrapmentで神経剥離術施行が1例、脛骨側のinterference screw過刺入でスクリュー引き戻しが1例、膝前面の創部周囲の知覚異常の訴え5例で、膝前面痛はなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012