小皮切アキレス腱縫合術における工夫

小皮切アキレス腱皮下断裂に対する小皮切縫合術の手技を紹介し、同手術59例(男44例、女15例、平均45.8歳)の成績を報告した。約2cmの術野で縫合を行うため、Kirchmayer縫合で断端部から縦糸をかける手技(引き戻し法)と横糸や返しの縦糸をかける手技(針誘導法)の工夫を行った。受傷原因はスポーツ53例、外傷6例で、スポーツは大半がレクリエーションレベルであった。59例中6例に5mmの追加皮切を要したが、創感染、創壊死、腓腹神経損傷はなく、アキレス腱周囲炎を1例に認めた。再断裂は術後7週目に1例認め、再縫合術を行った。また創部の突っ張り感を1例に認めたが、整容的な訴えはなかった。