発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012139707
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治療を行ったアキレス腱断裂49例を対象に、下肢深部静脈血栓(DVT)の発生頻度について検討した。治療は手術30例(男16例、女14例、平均40.8歳)、保存的治療19例(男15例、女4例、平均55.5歳)であった。治療前に超音波検査を行った45例中9例に患側の遠位型DVTが認められた。認めなかった36例のうち、転院2例を除く34例中13例に後日DVTが確認された。内訳は保存群12例中8例、手術群で術後ギプス固定を行った2例中1例、シーネ固定で早期に可動域訓練を試みた20例中4例であった。DVT確認時期は保存群が受傷後8~20日、手術群は9~32日であった。治療前に超音波検査を行わなかった保存群4例は、後日全例DVTが認められた。DVTは受傷後1週間で全体の38%、2週間73%、3週間88%、4週間96%で発生し、30~59歳の各年代で半数以上を占めた。最終的にDVT発生率は手術群39.3%(早期リハビリテーション群30.4%、ギプス固定群80.0%)、保存群78.9%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011