発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048016
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人工股関節クリニカルパスの歩行に関するアウトカムを調査し、パス設定の妥当性を評価した。対象は過去3年間に初回人工股関節全置換術を施行し、手術翌日から全荷重を開始した71症例(平均年齢70.0歳)とした。術前の日整会股関節機能判定基準(JOAスコア)は平均44.3点であった。平均術後入院期間28.0±9.0日であった。パスでは術後28日以内に歩行が安定し、自宅へ退院することを最終目標に設定しているが、28日以内の退院は42例であったが、6例が転院しており、最終アウトカム達成は50.7%であった。未達成群の平均入院期間は33.4日で、14例が転院した。達成群と未達成群を比較すると年齢(66.6歳対73.7歳)で有意差を認めたが、術前JOAスコアや手術侵襲、全例が自宅に復帰していた術後3ヵ月時点でのJOAスコアに有意差はなかった。中間アウトカムの達成では、未達成群において入院期間中に5例で杖歩行が安定せず、4例で階段昇降が安定しなかった。杖歩行以降で両群の差が広がる傾向を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011