発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010265982
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24歳女性。患者は左股関節痛を主訴に近医を受診、MRIにて大腿骨頭部の骨腫瘍を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。股関節単純X線では大腿骨頭骨端中央に骨透亮像がみられ、単純CTでは大腿骨頭に辺縁の骨硬化を有する骨溶解像が認められた。また、MRIではT1にて大腿骨頭関節面に低信号領域の骨病変、T2にて高信号領域と等信号領域が混在した骨病変が確認され、診断と治療をかねて手術が行われた。手術はsurgical dislocation法に基づき、股関節を観血的に前方に脱臼させ大腿骨頭を展開し、大腿骨頭窩を開窓、腫瘍を掻爬し、自家骨骨移植が行われた。その結果、病理組織学的に本症例は良性軟骨芽細胞腫であった。目下、術後5年経過で再発はみられず、股関節の関節症の変化、疼痛、機能障害もみられず、経過良好である。
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