発行日 2011年10月1日
Published Date 2011/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2012048013
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Preiser病の2症例に対して観血的治療を行ったので報告した。症例1は55歳女性で、誘引なく右手背腫脹、右手関節痛が出現した。X線で右舟状骨近位2/3に圧潰を認めた。MRI T2強調画像で舟状骨全体に異常信号を認めた。3ヵ月間関節固定で経過観察したが疼痛は改善せず、舟状骨全摘出術と部分関節固定術を施行した。術後1年6ヵ月が経過し、関節可動域の改善を認め、手関節痛はほぼ消失した。症例2は72歳男性で、誘引なく右手関節痛が出現した。軽度の関節可動域制限を認めた。X線で右舟状骨近位優位に圧潰、骨硬化像を認めた。橈骨-舟状骨間には関節症性変化を認めた。MRI T2強調画像で舟状骨全体に異常信号を認めたが、舟状骨遠位の一部に正常信号領域が残存していた。2ヵ月間装具固定で経過観察したが疼痛は改善せず、舟状骨全摘出術と橈骨茎状突起切除、後骨間神経切除を施行した。病理検査で骨壊死に矛盾しない所見であった。術後6ヵ月が経過し、関節可動域の改善を認め、疼痛は軽快した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011