発行日 2006年5月1日
Published Date 2006/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006197894
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手術を行った手指骨発生内軟骨腫26例(男8例,女18例)の成績を報告した.臨床症状は,病的骨折による疼痛16例,外傷後の疼痛6例,局所腫脹4例であった.全例に腫瘍掻爬後骨移植を行い,腸骨からの自家骨移植14例(A群),人工骨移植12例(B群)であった.平均観察期間470日で,病的骨折例では骨接合と腫瘍掻爬の一期的手術を2例に行い,うち1例に著しい可動域制限を認めた.残り14例は骨治癒が得られた後に腫瘍掻爬・骨移植を行い,可動域制限は軽度で,骨治癒は全例得られた.A群は全例辺縁部から骨吸収され,その後リモデリングされていた.B群のうちβ-リン酸三カルシウム(TCP)使用11例はいずれも100%吸収されて骨に置換され,リモデリングも認めた.腱鞘に漏出したβ-TCPも吸収されていた.リン酸カルシウム骨ペースト使用1例では吸収およびリモデリングは辺縁の一部にのみ認め,十分な骨への置換はなかった.全例Tordai分類のgroup 1で,腫瘍掻爬後の骨形成は良好であった
©Nankodo Co., Ltd., 2006