発行日 2011年3月1日
Published Date 2011/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011143727
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腰痛の疼痛知覚部位が胸腰部~臀部の範囲の330例を対象に、疼痛領域と疼痛中心をX線正面像に記録し、著者らが報告した感覚構造図をもとに分析した。その結果、多くの症例で疼痛領域の頭側限界はL2椎体レベル、尾側限界はS1椎体レベル、外側限界は背側枝/腹側枝境界領域に存在していた。また、疼痛中心の頭尾側方向はL4椎体レベル、背腹方向は背側枝領域に存在していた。これらの部位は、感覚構造図が示唆する下位腰椎と感覚を共有する骨・筋組織の疼痛知覚部位に類似していた。腰痛とは、腰椎に発した侵害感覚だけではなく、病変部位と感覚を共有する骨・筋組織に感覚された痛み感覚が複合された痛みであると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2011