発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011103823
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45歳男。咽頭痛の後に左肩の疼痛が出現し、炎症反応上昇を認めた。MRI gradient echo法T2*強調像で三角筋・棘上筋・肩甲下筋周囲筋膜に高信号域を、三角筋内部に不均一な輝度変化を認めた。壊死性筋膜炎を疑いアンピシリンナトリウム・スルバクタムナトリウム投与を開始したが、翌日左肩から上腕遠位に紅斑が出現し、疼痛増悪、炎症反応亢進、肝・腎機能悪化を認めた。肩峰下滑液包(SAB)穿刺液よりgroup A Streptococcus pyogenesを検出し、劇症型A群溶連菌感染症と診断して緊急手術を施行した。三角筋、上腕二頭筋、SAB、烏口突起滑液包の感染・壊死病巣に対してデブリドマンを施行し、術後持続血液濾過透析、エンドトキシン吸着、更にヒト免疫グロブリン注射、イミペネム・シラスタチンナトリウム、クリンダマイシン投与を行った。しかし、炎症反応は高値で推移し、術後48時間に紅斑が前胸部・頸部に波及したため再度デブリドマンを施行した。再手術後、炎症反応は改善し、術後5週で可動域制限なく自宅退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2011