発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2005251885
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56歳女.38℃台の発熱,咽頭痛,嘔吐,下痢の後に手・肘の発赤疹が出現し,更には全身倦怠感,口渇,手・肘関節・腓腹筋の腫脹,疼痛も出現した.検査所見で白血球増多,血小板減少,低蛋白血症,軽度黄疸を認め,腎機能障害,CRP上昇,凝固異常を呈していた.ショック症状が進行し,敗血症と考えてcefozopran,clindamycinの投与を開始した.補液,昇圧薬でショックから離脱したが,頻拍と多発するSVPCが出現し,経鼻的酸素投与を要した.胸部CTでは軽度胸水貯留,肺野のスリガラス様陰影,索状影を認めた.DICに対して低分子heparin,AT-III製剤を投与した.第2病日に血液培養で連鎖球菌が検出され,劇症型A群連鎖球菌感染症と診断した.抗生物質をpiperacillin,clindamycinに変更し,γグロブリン製剤も追加した.その結果,次第に全身状態は改善し,第11病日には酸素投与を中止した.微熱や関節炎,腫脹は持続したが,第20病日よりリハビリテーションを開始し,第48病日に軽快退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2005