発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011072005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1:63歳女。誘因なく右鎖骨部痛が出現し、鎖骨直上に腫瘤を認めた。X線で右鎖骨中央に病的骨折を認め、MRIではT1強調画像で低信号、T2強調画像で等信号、T1強調造影像でびまん性にやや高信号を呈する腫瘍を認めた。鎖骨の生検を含めた全身精査により、甲状腺癌の鎖骨単発転移と診断し、まず甲状腺全摘出術を行った。病理診断は濾胞癌であった。その後、鎖骨転移巣に対し鎖骨の亜全摘を含めた広範切除術を行った。鎖骨周囲筋の合併切除も行ったため、軽度の筋力低下と脱力感を認めたが、ADL上ほとんど支障はきたしていない。症例2:80歳男。16年前に腎細胞癌で右腎摘出術を行い、その後多発転移をに対し腫瘍切除などを受けていた。誘因なく右鎖骨部痛が出現し、X線・MRIで鎖骨中央に腫瘍、病的骨折を認め、腎癌の右鎖骨転移による病的骨折と診断して腫瘍摘出術を行った。術直後より疼痛は消失し、ROMは正常化し筋力低下も認めなかったが、肺転移の悪化により術後1年に死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010