発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011044273
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症例1:70歳女。2004年3月に小さな段差につまづき、転倒した際に、右大腿部痛が出現した。X線像で大腿骨骨幹部横骨折を認めた。骨折部位は皮質骨がスパイク状を呈し、健側の外側骨皮質の肥厚が見られた。髄内釘を用いて手術を行い、術後6ヵ月後には骨癒合が確認できた。その半年後、転倒しそうになり左大腿部痛が出現した。X線像で不全骨折を認め、免荷・保存的治療を開始した。3ヵ月後には骨形成を認め、荷重歩行を開始した。その3ヵ月後にも転倒しそうになり、再度左大腿部痛が出現し、歩行困難となった。X線像で大腿骨骨幹部横骨折を認め、骨折部はスパイク状を呈していた。前回同様に髄内釘を用いた手術を行った。本例は2002年6月~2005年1月にリセドロネートを内服し、その後は骨吸収抑制薬を中止していた。症例2:78歳女。歩行中に転倒しそうになり右大腿部痛が出現した。X線像で大腿骨骨幹部横骨折を認め、骨折部は同様スパイク状を呈していた。髄内釘を用いて手術を行った。本例は閉経後骨粗鬆症に対しリセドロネートを2年間服用し、次いでアレンドロネートを4年間内服し、その後受傷時迄の半年間はラロキシフェンを内服していた。受傷2日後のTRACP-5bは基準値以下であった。
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