難治性骨折に対する治療
難治性骨折の治療(各論) 下肢骨折 高齢者に発症する両側大腿骨骨幹部疲労骨折の診断・治療
王 耀東
1
,
若林 良明
,
大川 淳
,
石突 正文
,
黒佐 義郎
1東京医科歯科大学 大学院整形外科
キーワード:
Diphosphonates
,
X線診断
,
髄内固定法
,
骨折-疲労
,
大腿骨骨折
,
経口投与
,
放射性核種イメージング
,
後向き研究
,
長期投与
Keyword:
Administration, Oral
,
Femoral Fractures
,
Diphosphonates
,
Fracture Fixation, Intramedullary
,
Radiography
,
Radionuclide Imaging
,
Retrospective Studies
,
Fractures, Stress
pp.174-179
発行日 2012年4月15日
Published Date 2012/4/15
DOI https://doi.org/10.15106/J04037.2012339597
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高齢者に発症する両側大腿骨骨幹部疲労骨折の診断と治療について検討した。大腿骨骨幹部骨折を受傷し健側にも疲労骨折の疑いのあった11例(全例女、初診時平均年齢75.7歳)を対象とし、レトロスペクティブに調査した。不全骨折で見つかったもの症例は1例で、不完全骨折で見つかった症例は10例で、肥厚皮質部の骨折から始まる横骨折や短斜骨折といった特徴的な形態がみられた。骨折高位については、近位2/5~遠位1/3に限局し、全例が骨幹部であり、2例を除いて両側の骨折高位はほぼ一致していた。骨折型は、AO分類で全例type Aであった。大腿骨の彎曲形態は、10例は彎曲が強く、強度外彎を有し、強度前彎も伴う症例が多かった。5例でビスホスホネートを服用しており、そのうち10年以上服用していた1例でのみ大腿骨の彎曲変形を認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2012