発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2011044261
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脊椎脊髄疾患による疼痛・しびれに対し、ガバペンチンを投与した44例のうち副作用で中止した13例を除いた31例(男16例、女15例)を対象に鎮痛効果と副作用について検討した。疾患の内訳は、腰部脊柱管狭窄症15例、椎間板ヘルニア5例などであった。痛みの原因は、術後遺残性上肢・下肢痛16例、術後遺残性腰痛3例、術後遺残性しびれ5例、神経根性疼痛7例で、うち神経因性疼痛を5例に認めた。その結果、術後遺残上肢・下肢痛では有効が11例、やや有効が2例、無効が3例で、術後腰痛ではやや有効が1例、無効が2例であった。しびれに関しては全例無効であった。神経根性疼痛では5例が有効、1例がやや有効、1例が無効であった。副作用としては、初回投与で中止となった全例で、眠気、めまい、ふらつきを認めた。投与継続例では、眠気、ふらつきが10例、頭痛が1例であった。全44例では眠気(11例)、ふらつき(10例)が多かった。術後遺残性疼痛では、神経根性の分布パターンを認めたものに有効例が多かった。また、痛みとしびれが併存した例では有効例は多かったが、足底の錯感覚例には無効であった。腰痛は無効例が多く、神経因性疼痛は全例有効であった。以上よりガバペンチンは神経根性・神経因性疼痛に有効であると考えた。
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