発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010269567
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症例は55歳女性で、病院廊下で倒れているのを発見され、勢いよく前のめりに倒れ、両膝屈曲位で両膝を強打したと患者が説明した。両股関節痛で歩行不能となり、両側大腿骨頸部骨折で入院となった。入院時、両膝蓋部に打撲のあとを認めた。右人工骨頭置換術を行い、術翌日からベッド上訓練を開始した。更に、反対側の左人工骨頭置換術施行後、機能訓練を開始した。術後、異所性骨化の著しい形成が生じた。右側では術後2週で小転子周辺に雲霧状の境界不明瞭な陰影を、術後4週には大転子近位に同様の陰影を認めた。また、左側でも術後10日目に小転子から骨盤にかけ、雲霧状陰影と頸部外側に陰影が生じ、陰影は両側共にやや拡大し硬化した。退院時には平行棒歩行が可能となったが、病棟の生活は車椅子での移動であった。両股関節共に可動域(ROM)制限があり、特に左股関節は20°の屈曲拘縮、疼痛が歩行の障害となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010