発行日 2005年2月1日
Published Date 2005/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2005140047
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(50歳男).アルコール性大腿骨頭壊死症.転倒して左側大腿骨頸部骨折を生じ,THAを施行したが,壊死範囲と骨折部位は一致せず,骨折の原因は転倒と考えられた.症例2(67歳女).ステロイド性大腿骨頭壊死症.両側の大腿骨頸部骨折を認め,THAが施行された.症例3(71歳女).ステロイド性大腿骨頭壊死症.右側大腿骨頸部骨折を生じ,THAを施行したが,前回,左THA施行時の診断は大腿骨頸部の脆弱性骨折であった.3例はいずれも股関節痛を主訴とし,X線像では大腿骨頭圧潰と頸部骨折を,MRIのT1強調画像では骨頭内に帯状の低信号域を認めた.また,症例2,3では広範な壊死と壊死境界部の骨折がみられ,骨シンチグラフィーにて骨頭のcold in hot lesionが描出された.特発性大腿骨頭壊死に特異的なX線所見はなく,通常の頸部骨折様であってもMRI,骨シンチグラフィーなどの補助診断にて確定診断を行い,適切な治療法・術式を選択することが重要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005