発行日 2010年6月1日
Published Date 2010/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010265987
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著者らは脊椎後方手術患者946例を対象に、術後の大腿外側皮神経障害(MP)の発症頻度、症候、予後について検討した。術後のMP合併は51例(5.4%)で認められ、年齢は平均63.3歳、男性17例、女性34例で、片側例が37例、両側例が14例であった。1)自覚症状は痛み63%、しびれ24%、知覚鈍麻・違和感24%、下肢脱力感6%であった。他覚症状はTinel様徴候陽性14%、知覚鈍麻65%、知覚過敏4%であった。2)症状の比較的軽い29例は経過観察のみ行い、うち26例は自然治癒したが、3例は症状が遺残していた。一方、痛みなど不快感の強い22例には神経ブロックが行われ、うち16例は治癒し、改善が不十分な6例中4例は手術にて治癒し、残る2例は手術は受けず症状が遺残した。3)最終的には42例(82%)は脊椎術後平均6週で自然治癒あるいはブロックで治癒し、症状の強い4例は神経剥離術で治癒し、5例は症状が残存した。
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