発行日 2001年10月1日
Published Date 2001/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2002038932
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15歳男子.体操部活動中に跳馬からの転落時に左手をつき受傷し,左前腕部の変形と可動域制限を主訴に近医を受診後,受傷から7日目に紹介来院した.初診時,左前腕中央部に屈側凸の彎曲変形と圧痛を認め,肘関節の屈曲・伸展はほぼ正常であったが,前腕の回内が30°,回外が70°と可動域が制限されていた.単純X線像・骨シンチグラム所見から左橈骨・尺骨の急性骨塑性変形と診断し,徒手整復を試みたが困難であった為,骨のリモデリングによる変形の改善を期待して経過観察とした.受傷より6ヵ月経過した現在,前腕の回内は60°,回外は90°と可動域は改善しており,単純X線像では軸転位自体は変化ないが,橈骨骨幹部における彎曲凹側の骨皮質の肥厚と凸側皮質の菲薄化を認め,リモデリングによる緩徐な変形の改善がみられている
©Nankodo Co., Ltd., 2001