発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2010080235
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脊椎制動術を施行した腰椎透析脊椎症患者16例(男12例・女4例・平均62歳)の成績を報告した。適応は腰椎不安定性のない患者とし、sublaminar wiringの固定材料としてネスプロンケーブル(幅5mm)とレクトアングルロッド(径4mm)を用いた。傍脊柱筋の剥離は椎間関節内側まで行い、椎間関節の筋付着部をできるだけ温存した。制動高位は画像所見で狭窄部位および椎体終板や椎間関節の破壊を認めるレベルとした。術後観察期間12~44ヵ月で、JOAスコアは術前平均5.2点、術後1年8.8点となり、改善率は38.5%であった。最終診察時にJOAスコアが低下したのは再手術の1例のみであった。術後画像所見では、制動高位にすべり・側彎の進行を3例に、後彎変形を4例に、椎体終板の破壊進行を4例に認め、他の5例には変化は認めなかった。すべり進行の1例で再手術を行った。全例で症状を有する隣接椎間障害は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010