発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008178573
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69歳男。20年前に両小指のDupuytren拘縮で手術を受けたが、右小指近位指節間関節の屈曲変形が残存した。その後手掌示指側に腫瘤が出現・増大し、両示指の伸展制限が出現した。更には右母趾の伸展制限と歩行時の足底部痛も出現した。MRIでは境界明瞭な線維性腫瘤を母趾中足骨部底側に認め、T1強調像で等信号、T2強調像で高信号であった。右足底線維腫症および両示指Dupuytren拘縮と診断し、足底腱膜切除術およびDupuytren拘縮手術を順次施行した。ジグザグ皮切で進入して足底筋膜との線維性癒着を剥離し、正常組織を十分に含めて亜全摘術を行った。病理組織所見は、膠原線維の占める割合が増加したinvolutional stageの足底線維腫症であった。術後2週で創治癒は得られたが、皮膚の硬性腫大は残存し、母趾の軽度伸展制限を認めた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008