発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006004702
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25歳男.主訴は左足部痛.左足部第1楔状骨内側に約10×10×15mm大の骨性の腫瘤を触知し,触診上は前脛骨筋(TA)腱が付着していた.単純X線像,CTにて第1楔状骨内側と第1楔状骨前下方に陰影を認め,TA腱内種子骨を考え腫瘤摘出術を施行した.摘出した種子骨と第1楔状骨の各々接する面において軟骨が存在し,関節を形成していた.種子骨を摘出したことにより生じた腱の欠損部は縫縮し,腱の連続性は十分に保たれ,腱は足根中足関節から中足骨基部にかけて付着していた.病理組織所見で,摘出した組織は軟骨を伴った成熟した骨組織であった.以上よりTA腱内種子骨と診断した.手術後3週間,短下肢ギプス固定を行い,その後部分荷重歩行訓練より開始し,術後約5週で全荷重歩行可能となった.術後1年を経過し疼痛関節ROM制限はなく,歩行障害もない
©Nankodo Co., Ltd., 2005